オランダの年金基金、飾り窓地区のリニューアルに投資

オランダの2つの年金基金がアムステルダムの「飾り窓地区(レッドライト・エリア)」のリニューアルに6千万ユーロ(約80億円)を投資した。飾り窓と呼ばれる売春部屋やマリファナを販売するコーヒーショップの数を減らす目的でこの地区のリニューアルを進めているのは、アムステルダム市と住宅公社。この2団体が設置した投資ファンド「1012Inc」に、農業従事者とラボバンクの年金基金が35%投資している。

オランダは売春やマリファナの販売は規定に準拠する限り合法である。しかし、これを悪用し東欧からの犯罪組織がアムステルダムに大挙として集まってきたため、2007年から市を上げて飾り窓地区の「クリーン・アップ」を開始した。投資ファンド「1012inc.」は、飾り窓エリアにある133戸の改造を行い、地区をより清潔で魅力的なものに作り変えている。現在投資収益率は4%であるが、昨今の不動産価格の急上昇によりこの数値はさらに上がるものと予想される。アムステルダムは国内外からの不動産投資が急速に増加しているが、投資対象物件の不足で価格が高騰している。同投資ファンドによれば、ローリスク・ハイリターンの投資であるという。