TEFAFの強盗で盗まれた宝飾品の行方?

マーストリヒトで開催されている世界最大級のアート・アンティークフェア「TEFAF」で、28日4人の強盗が飾り棚のガラスを割って宝飾品を盗んで逃亡するという事件が起きた。ギャングドラマ「ピーキー・ブラインダース」の服装を真似た男4人が、拳銃などを持って会場に入り、盗難後にも何事もなかったように会場を出ていった。(ちなみにセキュリティは翌日から厳しくなった)盗まれた宝飾品の中にはひとつ数百万ユーロ(数億円)のものも含まれていたという。犯人はこれをどうやって売りさばくのだろうか? 通常の市場で販売するのは不可能だ。

盗まれた宝飾品の中にはロンドンの宝飾店「シンボリック&チェイス」の黄色いダイヤモンドが埋まっているネックレスもあった。この品は今回のTEFAFに出展されている宝飾品の中で最も高く2700万ユーロ(37億円)の値札がつけられていた。このほかにもカルチエの400万ユーロ(5億円相当)のダイヤモンドも数個盗まれたと言われている。ただ詳細については警察もTEFAFも公表していない。


TEFAFで宝飾品が盗まれたのは実はこれが初めてではない。2008年には120万ユーロ相当のダイヤモンドのネックレスが、2010年には86万ユーロ相当のペンダントと指輪が盗まれている。また2011年にもダイヤモンドのネックレスとブローチが盗まれている。

盗んだ宝飾品はどうやってさばくのか?鑑定書や記録があるため通常の市場で売るのは不可能だ。盗品は国際的なデータベースに登録されている。おそらく宝石を研磨して小さくして売るしかないと専門家。ただ研磨する人がこの犯罪にかかわっていない限り、報告する可能性が高い。

唯一考えられる方法としては、犯人が保険会社を脅迫しコミッションを得るというやりかただ。TEFAFに出展されている品物は保険がかかっているため、盗まれれば保険会社が負担しなければならない。これを見つけて返品すれば、この負担はなくなる。そのかわりに犯人に40%払うといった交渉が行われる可能性もある。ただしこれが行われる可能性は極めて低いという。盗難品をどうやってさばくのかは、未だに闇の中だ。

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