ロシアのウクライナ侵攻、オランダの対応と影響

ロシア軍のウクライナへの侵攻が続く中、オランダのルッテ首相はウクライナ自衛のため軍事物質を補給すると約束した。この中には400本のロケットを搭載した50機のロケットランチャーが含まれる。これはあくまでも軍事侵攻ではなく、ウクライナの援護という立場上でNATOの結束を示すものであると政府はコメントしている。

KLMオランダ航空は、少なくとも今後7日間は、ロシア行きフライトそしてロシア上空を通るフライトをすべてキャンセルすると26日発表した。安全の考慮および、緊急着陸が必要となった場合にロシアの空港を使用できない可能性の懸念からだという。日本行きなどのロシア上空を通過するフライトは、中東経由など別ルートを検討中だとコメントしている。

オランダ市民もウクライナ支援に動き出している。多くの人がGIRO999という募金口座を通してウクライナからの難民を支援している。実際に救援物質を届けたり、車でウクライナ国境まで走り難民を救助する人など市民もいる。オランダのトラックドライバー協会は率先してウクライナの運転手らに援助物質を届けるキャンペーンを開始、すでに多くのトラック運転手たちがオランダ・ウクライナ間を往復している。国に戻れない約1万人のウクライナの運転手たちが立ち往生している駐車場に食料やトイレットペーパーなどを届けているという。

国債決済システムSWIFTからロシアの銀行を排除するなどの対ロシア経済制裁が決定したが、今後ロシアの報復でガス価格が上がったり最悪の場合にはガス供給がなくなるなど、オランダにどのような経済的な打撃があるかについては、最悪のシナリオを含め分析が行われている。