第4次ルッテ内閣発足、総選挙から9ヶ月。新政権の政策は?

3月に行われた総選挙から9ヶ月たった本日12月15日やっと連立内閣が樹立した。紆余曲折した交渉を経て最終的に合意に至ったのが、以前と全く同じ4党の組み合わせである。自由民主党(VVD)、民主66党(D66)、キリスト教民主党(CDA)、キリスト教連盟(CU)の4党で、首相もルッテ首相が第4期を率いることになる。以下が新政権の主たる政策である。

■ 環境と窒素排出
オランダは環境政策に遅れをとっていたが、今後10年間に350億ユーロが気候変動対策に当てられる。
脱化石燃料としてオランダが選んだのは原子力発電。現在ボルセレにある原発はそのまま続行発電し、このほかに2基の原発が建設される予定だ。このほか250億ユーロが環境保護と窒素排出減少に使われる。さらに「気候とエネルギー省」が新規に設置される。

■ 教育
2023/24年度から、学生への貸付制度が廃止され、過去にあった助成金制度が復活する。
小学校教諭の給与が中高等学校の教師と同額となる。
保育所はほぼ無料となる。

■ 医療介護
医療介護での仕事を魅力あるものにする。賃金の引き上げや就労負担・時間の引き下げなどが含まれそうだ。

■ 住居
住宅不足が大きな問題となっているが、新政権は年間10万戸の新しい家屋を建設する。このうち3分の2は355,000ユーロ以下の低価格帯となる。また最も住居の取得に苦労している中間層に対して、家賃保護制度が適用されるようになる。

■ 労働市場
最低賃金の7.5%引き上げ。これにともない生活保護などの補助金額も上がる。
ZZPと呼ばれる個人事業主への就労不能保険が導入される。

■ 移民、難民、市民化
将来有望な難民はオランダ到着1日目からオランダ語のレッスンを受ける。
ただし社会生活を乱す移民・難民は厳しく取り締まる。さらに、オランダに滞在する権利がない移民は祖国へ送還される。