ゼーランド、牡蠣やムール貝狩りの量を制限か

アムステルダムからでも約1時間で行けるゼーランド州は、牡蠣やムール貝で有名である。牡蠣やムール貝専門のレストランやカフェも多く、オランダだけでなくベルギーなどからもわざわざ足を運ぶ人も少なくない。
ゼーランドでは特定の海岸で個人が牡蠣やムール貝を採取できる。とくに牡蠣は岩場にはりついているので、引き潮のときには採取しやすい。これまで牡蠣やその他の貝は、ひとり10kgまで持ち帰ることができたが。しかし州はこれを2.5kgに制限したい意向である。

「海藻や貝類を自分で採取するのはゼーランド州では昔からの習慣だ。この素晴らしい伝統は保持したいのだが、最近では乱獲で生態系が脅かされている。」と州の担当者が憂慮している。牡蠣は人間だけでなく、鳥類にも格好の餌なのである。

牡蠣を取れば取るほど、鳥たちの分がなくなる。牡蠣が生息する塩性湿地帯は、実はアカアシシギ、ハジロコチドリ、砂チドリといった鳥たちの重要な繁殖地でもある。これらの鳥はそこで見つけることができる食料に完全に依存している。

個人の採取量に規制を計画しているのは、州だけでなく、自然保護団体や漁業団体も同様だ。規制は2022年から実施されそうだ。