総選挙結果再び、注目のVOLT党とは?

17日に行われた下院議会選挙での獲得議席数は、150議席中自由民主党がトップで35議席を獲得し、ルッテ首相の続投が決まった。次いでカーグ党首の率いる中道左派の民主66党(詳細は18日付記事)で23議席となっている。
今回の選挙で顕著だったのは左派の凋落で、社会党、労働党、緑の党がそれぞれ9、9, 8議席で合計26議席と、2017年から11議席失っている。おそらく左派支持者が民主66党へ流れたものと見られる。
また、ポピュリストと呼ばれる極右政党の伸びが著しい。4年前に第2党へと躍り出たポピュリスト最大の党である自由党(PVV)は勢いを落としたが、民主フォーラムと新党のJA21党が躍進し、3党合計で28議席と左派を上回った。

今回の選挙での新星はVOLT党だ。反ポピュリスト、親ヨーロッパを掲げる学生や若いプロフェッショナルからなる政党である。この政党はオランダだけでなく欧州各国そしてスイスやアルバニアにまで広がっている。2016年、最初にVOLT党を立ち上げたのはロンドンに住むイタリア人アンドレア・ヴェンゾン(29)で、今ではEUは加盟国27カ国すべてに設立され9000人の党員を抱える。ドイツやイタリアでは市議会レベルでの議員は選出されているが、今回のオランダのように国会レベルでの参政は初めて。

オランダのVOLT党の党首であるダッセン氏はアイントホーフェン近くの村で育ち、オーケストラに参加するなどの子供時代を過ごした。経営学を学んだ後、ABN-Amro銀行に就職しマネーロンダリング関連の仕事に関わっていた。当時欧州を席巻していた極右とポピュリズムを懸念、2018年にVOLT党に関する記事を読んだことがきっかけで、退職しオランダのVOLT党を立ち上げた。ソーシャルメディアを駆使したキャンペーンを行ったVOLTは、学生の多いデルフトやライデン市での投票を多く獲得している。

VOLT党