オランダ総選挙、82%と高い投票率。民主66党の躍進と左派の凋落

17日行われた総選挙の結果が開票されている。投票率は前回2017年とほぼ同じレベルの82.6%だったが、18歳から24歳の若者の投票率が80%と前回の67%を大きく上回った。選挙民の関心が高かったのは、コロナ危機を反映して「医療」、続いて「規範」と「政府への信頼」だった。そのほか、経済、教育、環境、住宅などが続いた。いずれにせよこの投票率の高さは国民の政治への関心と関与の高さを表している。

昨夜行われた出口調査の結果、最も議席数を獲得したのはルッテ首相の率いる自由民主党(中道右派VVD)、続いて民主66党(中道左派D66)、自由党(極右派PVV), キリスト教民主党(右派CDA), 社会党(左派SP), 労働党(左派PvdA)、民主フォーラム(極右FvD), 緑の党(左派GL)。今年設立された新党もそれぞれ議席を獲得している。

今回最も躍進したのはシグリッド・カーグの率いる民主66党(D66)。中道左派のD66はこれまでの19議席から24議席へと大幅に得票を伸ばした。カーグ氏はUNや様々な国際機関での役職を経験した国際派。環境問題への取り組みに力を入れている。
中道右派、中道左派をいっしょにしてオランダではリベラルと呼ばれている党は議席を伸ばした。議席を失ったのは、社会党、労働党、緑の党の左派グループ。反対に極右の民主フォーラム(FvD)は2議席から8議席へと大きく得票を伸ばした。同じく極右で前回は第2党であったPVV党は20議席から17議席へと得票を失っている。

ルッテ首相は、前例に習いもっとも議席獲得数の多かった党の党首として、連立の組み合わせ調整にはいる。VVD(中道右派)、D66(中道左派)、CDA(中道右派)の組み合わせで定員150議席の半数を占める可能性が高いため、ここに落ち着くと見るむきが多いが、まだ未定である。2017年の連立交渉には8ヶ月かかっという前例があるため、交渉に時間がかかる可能性もある。与党野党を合わせ、おそらく17の党が国会議員となるが、これは1918年以来最も多い。 (画像は出口調査の結果。NOS)