原子力発電はオランダの温暖化対策に必要なのか?

先週の日曜日に行われた選挙のための党首討論会で、環境対策としての原子力発電設置が問われた。ルッテ首相は賛成派で、設置候補地にフローニンゲンを挙げていた。原子力はチェルノブイリと福島での事故以来、その是非を問うことさえもタブーになっていたが、今回の討論会で再び議題に上ったのはなぜなのか。オランダはCO2の削減目標達成に遅れを取っており、これを解決する手っ取り早い方法が原子力発電なのだ。

もちろん、オランダでも風力発電や太陽光発電にも遅ればせながら力を注いでいる。しかし、風力と太陽光は常時利用できないという欠点がある。原子力発電は常時大量供給が可能である。さらに、核分裂の際にCO2を発生しないという利点もある。ただしCO2に関しては太陽光や風に勝るものはない。
計算によれば2030年には、太陽光や風で50ギガワットの容量が利用可能になり、それまでの最大電力需要は、21ギガワットとであるため充分な供給源である。問題は、風や太陽の加減で50ギガワットが10ギガワットまで落ちる場合があるということだ。

そこで原子力発電という案が浮上してきたのだ。2年前、国際気候パネルIPCCは、原子力発電なしで摂氏1.5度の低下を目標とすることは実現不可能であると述べている。パネルによれば、2030年までに最低でも60パーセント近く多くの原子力エネルギーが必要とされる。

しかしながら原子力発電はオランダにとって最適な解決方法なのであろうか?答えは否である。
まず建設期間が長すぎること。最低でも8年かかるため、2030年の目標を達するにはすでに開始していなければならないが、その計画はない。第2にコストが高すぎること。建設、人員、燃料だけでなく、耐用年数の終わりに廃止措置といったすべてを考慮すると、新しい原子力施設からの電力は、風力や太陽光からの電力の約4倍の費用がかかる。第3に放射性廃棄物の問題がある。

原子力発電を選択するか否かは政治的な判断に委ねられている。

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