オランダ政府、これまでの方針を翻し、緊急にマスク着用を勧告

オランダはEU諸国の中でも屋内でのマスク着用を義務付けない最後の国だったが、この砦もようやく壊される。水曜日夜、「マスク着用を緊急に要請(勧告、アドバイス)」という政府発表があった。これまで地方自治体や市町村単位で実施されているなど国民の間で混乱を招いていた。この勧告の詳細については金曜日午後に発表されるが、勧告発表された昨夜から有効となった。ただし要請(勧告、アドバイス)は、現時点では強制的なものではない。

28日の政府記者会見時点では、コロナ感染者の多いアムステルダム、ロッテルダム、ハーグ付近の小売店のみが、「マスクを着用しない人の入店を拒否できる。」という発表だったが、これが全国で適用される。この勧告が適用されるのは以下の通り。

*小売店、美術・博物館、市役所、駅、空港、屋内駐車場、ガソリンスタンドなど

*バー、レストラン、劇場、コンサートホール、駅、屋内駐車場などでもマスク着用が要請される。

*小中学校で自主的にマスク着用を義務付けているところも多いが、政府はこれについてはまだ決定を下していない。

*美容やマッサージなどの人に直接接する仕事では、施術者のみならず顧客のマスク着用も同様に要請される。

マスク着用懐疑派であり、これまでこの方針を政府にアドバイスしていた国立衛生環境研究所(RIVM)所長のファン・ディッセル氏は、今回の政府決定を疑問視している。マスクの質と使い方が非常に重要だと強調。医療用ではないマスクを公共交通機関内で使用しても、ウィルス感染が防げるのは5−10%にすぎないと、政府に伝えている。

政府の発表(オランダ語)