オランダ、今年の初ニシンは医療関係者へプレゼント

オランダでは毎年最初に水揚げされたニシン樽がオークションで競られ、売上金が慈善団体などに寄付されるという伝統がある。本日6月11日は、初ニシンの日だが、コロナウィルス感染防止規制により、35年ぶりで競りが行われないことになった。その代わりに今年はコロナウィルス患者を介護した医療関係者に贈られる。

オランダインテンシブケア協会会長のホメルス氏、そして全国救急医療会長のカイパー氏が、最初の樽を受け取る。その後エラスムス大学病院のスタッフに初ニシンが贈られる。そしてもちろん他のオランダの病院やオランダの患者を受け入れてくれたドイツの病院のスタッフにも、コロナ危機での献身的な看護に感謝し、オランダ漁業協会(Het Nederlandse Visbureau)が初ニシンをプレゼントする。同協会はオークションは行われないが、自身を顧みず働いてくれた医療関係者への感謝を示したい、と今回の粋な措置を説明している。

一般の人は新ニシンを明日金曜日から購入可能だ。街角にある魚屋台などは毎年混雑するが、今年は1.5メートルを守り行列するため例年ほど混まないと予想される。また例年ではこのオークションの様子が報道されるため、一般の人が初ニシンシーズンに気づくのだが、今年はこのお祭りがないためニシンを求めて屋台に集まるという事態はなさそうだ。