オランダ最大の人種差別反対デモが今夜黒人地区にて行われる

オランダではアムステルダム、ハーグ、ロッテルダムそして各地方都市で反人種差別デモが行われたが、10日午後17:00にはアムステルダムの南東地区ベイルマー(Bijlmer)にて大規模なデモが計画されている。
ベイルマー地区は、近年ではオフィスビルやマンションなどが建造され人種融合化が進んでいるが、それでも大半の住民は非オランダ人である。オランダは過去南米のスリナムを植民地支配していただけでなく、現在でもカリブ海にオランダ領を所有している。ここに住む黒人はスリナムやカリブ海領地からの移住者が多い。以前は犯罪が多く危ないと言われた地区だが、最近では改善され犯罪率も半分以下に下がった。レストランやカフェなどもエスニック料理が豊富で楽しめる。

本日のデモはこのベイルマーのアントン・デ・コム広場で予定されていたが、ソーシャルメディアなどで参加を募ったところ4000人以上が参加を表明している。これまでの経過から最低この倍以上の参加者が予測されているため、急遽近くのネルソン・マンデラ公園に変更されている。ここには人との距離を1.5メートル開けても18,000人が立てるという。

本日のデモの主催者によれば、ザイドオースト(ベイルマー)黒人地区は、構造的な差別のシンボルで、いかにこれ(隔離政策)が失敗しているかを表すものだという。ベルギーではアフリカのコンゴでの搾取を行ったとしレオポルド2世の銅像が倒されるという事件が起きたが、オランダは奴隷貿易で富を得ていた。オランダで奴隷制度が廃止されたのは150年前である。
(画像:Gemeente Amsterdam)