KLM、キャンセル便に関し今後は返金のオプションも
KLMは、便が運行停止したためにキャンセルをせざる得なくなったチケットの料金を払い戻すというオプションを設けることになった。これまでは、キャンセルしたフライトについてはバウチャー(別のフライトに変更できる利用券)を提供するのみだった。しかしこのバウチャー発行に対する批判が多かったのと、インフラ・水道省の政策変更で、今回の方針転換となった。
これまでKLMは、キャンセル便に関してはバウチャーを発行。このバウチャーは12ヶ月間使用しなかった場合には換金できるというものだった。しかし、これは欧州法に違反していた。欧州の消費者保護規定では、顧客は航空会社の意向でフライトがキャンセルされた場合には返金を要求する権利がある、となっている。バウチャーの発行も許可されているが、顧客がバウチャーか返金かを選べるというものだ。
今後、KLMの顧客はバウチャーか返金を選択できる。ただし、過去の方針によりバウチャーを受け取った顧客はこれを返金に変更できない。また、すでにキャンセル便によりバウチャーを受け取る予定だった人も、これを返金に変更できない。
オランダ政府はEU法に反し顧客に選択の自由を与えないという立場をとってきた。同じような政策をとる他国とともに、この欧州法を無視するという可能性を探っていた。もし返金ということになると、企業の流動性リスクに直面する(倒産の可能性)ことになるというのがその背景にある。KLMエアフランスが3月1日からキャンセルしたフライトは30億ユーロに及ぶ。