アムステルダムにマスクショップ開店、賛否両論
アムステルダムの中心ヨルダーン地区に昨日オープンしたマスクショップが、開店してすぐに警察の捜査にあっている。この店ではFFP2(日本ではN95)にランクされる外科用マスクを販売する予定で、1枚9ユーロ。3枚で25ユーロという値段付けだ。問題は価格ではなく、現金払いのみを受け付けるということだ。コロナウィルス拡大後、ほとんどの店で現金は受け取らなくなっているという時、カード払いは受け付けず現金のみなのだ。国立公衆衛生環境研究所(RIVM)は、現金取引を避けるよう通達しているが、この店は現金のみ。
アムステルダム市の担当者は「マスクを販売は違法ではないが、この状態は望ましくない。」とコメントしている。ソーシャルメディアでは、医療関係者の間でマスク不足が深刻な問題になっているときに、アムステルダムの街角で大量にサージカルマスクが販売されているのは倫理に反するなどと炎上気味。RTLニュースが店舗のオーナーにインタビューしたところ、これまでやっていたアイスクリーム屋を閉鎖しなければならなくなり、月4000ユーロの家賃や光熱費を払うためにマスクショップを始めたという。マスクはつてをたどって中国から大量輸入した。「家賃が払えて、コロナ危機がすぎたらまたアイスクリーム屋が始めたい。それまではマスク販売で人助けをする。」と語っている。また資金不足でカードリーダーが買えなかったため、現金取引をしているが、今月末にはカード払いが可能となるらしい。RIVM(国立公衆衛生環境研究所)は、議会での長い論争にもかかわらず、いまだにマスクの着用義務化を拒否しているが、一般の人の間での需要は高い。
政府や行政関係者の間でもこのマスクショップについて意見が分かれている。緑の党は、「コロナウィルスを金儲けの手段に使うべきではない。」とアムステルダム市長か市議会議員の介入を望んでいる。しかし市当局は、これは国立食品消費物局(NVWA)の管轄だとし、NVWAは健康管理局(IGJ)にその責任を押し付け、IGJは社会雇用省(SZW)が担当だとこれを否定、責任の所在が不明瞭だ。
結論としては、どの店でもマスクを販売することは違法ではない。ただしマスクがFFP2の規定を満たしているか、衛生管理法に適しているかの検査は行うという。