アムステルダムの花市場から花や球根が消え、土産物屋だらけに。市はこれに罰金

どのガイドブックにも載っている有名なアムステルダムの「花市場、フラワーマーケット」だが、ここ10年で花や球根を売る店が激減し、代わりに旅行者向けのお土産を売る店がマーケットを占めている。お土産は帽子やTシャツやマグカップと花とは無関係なものがほとんどだ。市当局は、花や植物よりも旅行者向けのお土産を優先する店に数万ユーロの罰金を課すことに決めた。

地元民が昔のように花市場で花が買えなくなったという苦情から、この条例が施行された。花市場の店舗では、販売する品物のうち花と関係ないお土産の品数は最高で4分の1までに義務付けられている。しかし昨年末に、全16店舗のうちこの条例に準じていた店はたった一軒のみ。この結果10店舗が罰金を課せられることになった。

罰金額は年間土地使用料の3倍という厳しいもの。使用料は店舗によって違うが10,000から40,000ユーロである。市当局は今回の措置で、フラワーマーケットが地元民に昔のように魅力的なものに戻ることを期待している。
観光客はフラワーマーケットで花を見るが、自分たちで花や球根は買わない。そこでフラワーマーケットの店舗は観光客にアピールする品物を置くようになったという背景がある。アムステルダム市はここ数年観光客の増加に頭を抱えており、観光客を減らし地元民を優先する政策を進めている。

ちなみにフラワーマーケットで売られているチューリップの球根も評判が悪い。昨年のバルブ・クオリティ・サポートの調査によれば、ここで売られている1364個のサンプルのうち、花が咲いたのはたったの1%。この結果について市当局は「構造的な消費者への詐欺行為だ」と批判していた。