石油大手シェル、法人税支払わず、1000万ユーロの助成金受け取り

オランダの石油とガス大手のシェルは、過去5年間でオランダ国内では一銭も所得税を払わず、国からの助成金を受け取っていたことがオランダの放送局RTLZの調べで判明した。2014年から2018年までに受け取った助成金総額は1000万ユーロ(約12億円)。

同社は2018年だけで各省庁から340万ユーロの補助金を受けている。この年の連結決算利益は103億ユーロ。つまり1時間22分で補助金分を稼いでいるという計算になる。

例えば経済気候省から150万ユーロの助成金を受け取っている。大企業は、欧州排出権取引システム(ETS)を通じて、EU以外の競合他社が負担しない追加費用を支払うと、補助金を受け取ることができるという制度を利用しているのだ。

さらに同省はシェルのCO2の回収と貯蔵プロジェクトに9万7千ユーロも支払っている。このほか水素ガスステーションの建設のために90万ユーロ(約1億円)を2度と、環境保全プロジェクトで多くの助成金を受け取っているのだ。
シェルは他の多国籍企業と同様、複雑な租税回避方法を駆使し、オランダ国内では全く税金を払っていない。