KLMなど航空会社のCO2排気を減らす試み、実際には?
大気汚染の原因の一つに航空機があげられており、航空会社各社はCO2排気を減らす(フットプリントを減らす)試みを示しイメージアップを図っている。オランダ航空KLMではアムステルダム・ブリュッセル便を1日のうち1本を減らすことにし、このフライトの代わりに高速列車タリスを利用してもらう。エア・アラスカは航空機内での水ボトル販売をやめ乗客に自分の飲み物を持参するよう呼びかけている。バージン・アトランティック航空は、「世界で一番エコなポーチ」を配布。ルフトハンザ航空は環境保護費(フットプリント)を乗客から徴収し、バイオガソリンでの飛行をバーチャルで楽しんでもらうという試みを行っている。
消費者に環境保護意識が高まるにつれて、CO2をばらまく航空会社は「グリーンのイメージ」を示そうと躍起になっている。ライアンエアーは「ヨーロッパで一番排気量が少ない航空会社」という広告を出した。乗客ひとりあたりの航空距離に対するCO2排出量で測ると、ライアンエアーは1kmあたり66グラムと他の航空会社に比較して25%少ないと主張している。しかしながらライアンエアーは欧州の航空会社の排気量トップ10に数えられている。昨年のCO2排気量は990万トンで2017年の920万トンそして2016年の840万トンを大幅に上回っている。欧州委員会によれば、ライアンエアーは二酸化炭素排気量に関しては最悪の会社だとし、同社の自主広告を否定している。
さてオランダのKLMだが、来年の3月から1日5便あるアムステルダム・ブリュッセル間の便を4本に減らすと発表した。KLMの乗客用に高速列車タリスの席を確保するという。これによって年間55000人の乗客が列車に移るという試算だ。現在アムステルダム・ブリュッセル間は年間28万人がKLMを利用しているが、将来的にはこれをすべて廃止したいという。
KLMの決定は決して悪いものではないが、批判もある。子会社のエアー・アントワープ航空が先週からアントワープ・ロンドン間を1日3便運航することを決定。ブリュッセル・ロンドン間はユーロスターという速くて便利な列車が運航しているのに、なぜ飛行機なのかという批判だ。さらにルフトハンザのバイオガソリン飛行は、あくまでもバーチャルで、実際には通常の燃料で飛んでいる。