ブレグジットを見据え、スコットランド・オランダを結ぶフェリー計画
スコットランドの船舶会社TECファラゴン社は、オランダの北部フローニンゲン州にあるエームスハーフェン(Eemshaven)とエディンバラ近郊のロサイス(Rosyth)を結ぶフェリー運航を開始する計画を発表した。10月に計画されているイギリスのEU脱退を見据えての計画である。この新航路を運行するフェリーは主として貨物を運ぶが、人や車の輸送も計画している。
オランダのエームスハーフェンではこの新航路計画のために、650万ユーロをかけて冷蔵貯蔵倉庫を建設している。さらに岸壁を100メートル延長する工事が行われている。
スコットランドは、スコッチウィスキーと木材などをドイツ、デンマークそしてイタリアへ輸出しているが、欧州への輸出窓口としてオランダのエームスハーフェンが流通そしてインフラ面で優れていると判断した。これまでスコットランドは欧州大陸の海からの入り口としてベルギーのブリュージュ近郊のゼーブルッヘ港を使っていたが、2010年にこれを停止している。その後はイギリス南部のドーバーからフランスのカレーというルートを利用していた。しかしブレグジットが近づくにつれこのルートは除外し、欧州の他の地区と直接つなぐルートを模索していた。
もし10月に英国の合意なきEU離脱が現実化すれば、ドーバー港の混乱は目に見えている。スコットランドはその前にドーバー港の代替港を求めていた。さらに、オランダ、ドイツ、そしてデンマークの観光客も眼中に入れ、今回のエームスハーフェン港の選択となった。エームスハーフェンとロサイスの航行時間は約20時間。現時点で航路開始は10月末が計画されている。