欧州他国で人気の電動キックボード、オランダでは禁止

ブリュッセルやパリそしてベルリンなどの都市ではレンタルの電動キックボードが人気である。好きなところでピックアップして好きなところに戻すことができ、速いし、場所をとらず、排気ガスが出ないのが人気の秘訣である。ところが、オランダでは電動キックボードで公道を走るのは禁止されている。禁止の理由はスクータや自転車と違いハンドルとシートがないこと。オランダ道路交通局(RWD)は電動キッキボードを「特別スクーター」に分類しているが、この理由から公道での通行が禁止されている。

オフロードバイクなどを製造している「Motoped」社は、オランダでは許可されていないモデルも製造している。オーナーのフランク・ヘーゼンさんは「オランダは他の欧州諸国に比べ遅れている」と批判。「軽くてどこにでも持っていくことができ、近距離では最高の交通手段。駅まで電動ステップで行き、折りたたんでそのまま電車に乗ることもできる。隣国の都市では観光客がこぞってレンタルしている。」

オランダでは電動スケートボードも禁止されている。駅の往復にいつも電動スケートボードを使っている男性は、いちいち自転車を駐輪場に停める時間を20分は節約できると便利性を強調している。「毎日乗っているが一度も警察に注意されたことはないどころか、ボードを見かけた警察官もおもしろいね、と褒めてくれる」と同男性。禁止されていても徹底していないようだ。さらに、通常のスケートボードよりも安全らしい。停止の際にはボタンを押すだけなので突然の事態にもすばやく対応できる。

さて電動キックボードや電動スケートボードは実際のところ危険なのだろうか? 交通安全科学研究基金(SWOV)によれば、環境にいいし便利な反面、事故も多いという。スペインでは死亡事故も起きている。安定性や可視範囲に問題もある。まずは他国での様子を見てからオランダでの導入を検討するのがいいのでは、と同基金。