オランダでも顔を隠すブルカ禁止に

一部のイスラム教徒の女性が着用する体と顔を覆う衣装ブルカやニカブ(ニカブは目の部分が開いているがブルカは目の部分も薄い生地で覆われる)が8月1日からオランダでも禁止されることになった。2005年に極右のウィルダース議員が公共の場でのブルカ着用の禁止を提唱したが、14年間もの間、宗教の自由を尊重するオランダは立法に踏み切らなかった。今回施行されるブルカ(顔を隠すヘルメットや帽子も含む)禁止令は、公共交通の車中、公共機関の建物の中、介護機関の中、そして学校の中で適用される。駅やタクシーそして路上ではこの禁止令は適用されない。ヒヒャブと呼ばれるヘッドスカーフやチャドルの着用は許可されている。

さて公共交通機関にブルカ着用者が乗り込んできた場合どうなるのか? 車掌や運転手はブルカを脱ぐよう依頼するか、下車するよう促すのみ。罰金の150ユーロが課せるのは警察官のみである。ただし混乱や遅延を嫌がる公共交通機関の職員のほとんどが、見て見ぬふりをすると答えている。一般の人も公共機関でブルカやニカブ着用の人を見かけた場合には、脱衣するよう促し警察に連絡することはできるという。オランダでブルカを着用している人は全土で200人から400人と少数であり、ほとんど見かけることはない。その上ブルカ着用者が問題を起こしたという事例もない。この法律がなぜ施行されるのか、いったい誰のためなのかがきちんと説明されていない。

すでにベルギー、フランスそしてデンマークで、公共の場でのブルカの着用は禁止されている。オランダは路上では着用可だが、これらの3国では路上でも禁止だ。