北海で16世紀に沈んだ船を発見、銅の延べ棒が
今年の1月初め、ドイツのMSCの船からコンテナが北海に落下するという事故が起き、いまだにコンテナは回収作業中である。作業中偶然に1540年ごろの船の破片が見つかったと教育・文化・科学担当大臣が水曜日に発表した。科学的な分析で、船の梁を支えていた木は1536年の秋に採伐されたものだということが判明している。
この船には銅が積まれていた。この銅はコインを鋳造するために使用され、17世紀のオランダ黄金時代には東インド会社貿易の支払いに広く使われた。さらに、この銅の延べ棒には「Fugger」という家名が刻字されている。バイエルンのフッガー家は、銀行業と貿易業で15世紀と16世紀に欧州でのビジネスを牛耳っていた。
コンテナをサルベージしていた会社は、数週間前にオランダの北部のテルスヘリング島近くから数枚の銅の延べ棒が発見したが、あくまでもコンテナの積荷の一部だと考えていた。ところが今回16世紀の船の梁が見つかり、銅が当時のものであると判明。さらに調査で、この船は幅7.5メートル、長さ25−30メートルのものだと見積もられた。船底は平らで大量の荷物が積まれるように設計されていた。船の考古学者オーフェルメールさんによれば、船はオランダ北部で造船されたものだという。今年の夏にはこの沈没船に関するさらなる調査が進められる。