オランダ情報機関AIVD、国家の安全を脅かすと中国製の5G機器を警戒。

オランダでも5G(第5世代携帯)ネットワークの開発を進めているが、オランダ情報機関(AIVD)の長官ディック・スホーフ氏は同機関の年間報告発表の際に「5Gあるいは他の重要な通信機器購入の際、中国製とロシア製には十分注意を払うべき」だと警告した。スホーフ氏によれば、中国とロシアはオランダでの諜報活動が非常に活発であり、両国からの通信機器購入はオランダにとって危険だというのだ。

第5世代ネットワーク(5G)は通信界にとって非常に重要だが、サイバー攻撃を仕掛ける国から関連機器やソフトウェアを購入することは危険との背中合わせであるため、これを禁止すべきだと長官。5Gネットワークや他の重要通信インフラの敷設に中国の諜報機関が関わっている可能性があると、AIVDは警告を発している。とくにC2000と呼ばれる通信サービスはオランダの救助と安全サービスに使用されるため、これが妨害されることを恐れている。

先月オランダのメディアRTLZは、KPNが中国のファーウェイと5Gネットワークの敷設に関する技術契約を結ぶところであると伝えた。ファーウェイとKPNはすでに交渉が進んでおり、署名をする直前だった。現在KPNや他の通信会社は、国家テロと安全管理機関の指導のもと5G敷設のリスクを分析している。このリスク分析は欧州委員会も加盟国に要求していた。

さらにオランダ政府も中国の諜報活動への対応策を含む「中国戦略」を実施している。米国、オーストラリア、ニュージーランドは国家のデータシステム保護の目的で、すでにファーウェイ機器の購入を禁止しており、欧州にも同様な措置を取るよう圧力をかけていた。トランプ大統領のアドバイザーであるギングリッチ氏はRTLZとのインタビューで、ヨーロッパがファーウェイの5Gを禁止しなければ、米国はヨーロッパでの諜報活動の援助を減らすと警告した。オランダの左派政党である緑の党も昨日国会にて、中国企業には中国共産党の影響が強すぎるとし、5Gの敷設から中国のファーウェイを排除すべきだと主張した。(画像:depositphotos)