アムステルダム市、イスラム過激派の影響を受けている高校に懸念

アムステルダム市当局は、イスラム系中高等学校であるコーネリアス・ハーハ・リセアム(Coenelius Haga Lyceum)が非民主的な教育を行っているとし、同校理事会の総辞職を求めている。アムステルダム市市長であるフェムケ・ヘルセマ氏と教育担当議員マーヨレン・ムアマン氏が連名で市議会に書簡を送っている。この学校では生徒が「指導者」と言われる教員複数から指導を受けている。この教員たちはISとつながりのあるチェチェンのテロ組織「コーカサス・エミレート」と深い関係を持つとされている。さらにイスラム過激派との接触もある。オランダ情報安全局(AIVD)は「非常に不穏な事態」であるとし調査を進めていた。AIVDによれば、「指導者」は授業時間の半分をサラフィー主義の教義に費やしているという。

これに対し国家反テロ機関(NCTV)のアールベルスベルグ氏は、同校の授業で差し迫った危険はないという見解を発表。ただ、アムステルダム市がこれまで収集した情報をすべて公開し、両親が学校選択時にこの情報を参照できるようにすべきだとし、市もこれ従った。ムアマン議員は、「指導者らが辞職しない限り市からの助成金は出さない。」と過激派指導者の辞職を迫っている。

これに対しイスラム教育協会(SIO)の会長は、全くナンセンスだと市の決定に異議を唱えている。2017年に開校されたこの学校はアムステルダムで唯一のイスラム系中高等学校だが、当時市当局と教育省は、設立者が教育経験がないこととサラフィー主義に心頭していることから、開校に反対していた。しかし「教育の自由」という根拠から開校が実現されている。生徒たちが過激派の教育の影響を受けていることが明白だというのに、法により市も国も学校の閉鎖をすることができないことに苛立ちを隠せない。(参照記事:3月18日付けVolkskrant)