ブレグジットで、BMWのMINI生産オランダに移行か
あと数週間で英国のEU離脱のデッドラインがやってくる。もしこれが合意なしの離脱(ハード・ブレグジット)となる場合には、BMWが所有する車ブランドMINIの生産はオランダのボルンに移行する可能性があると、BMWの幹部が発表した。
元イギリスの車企業であったMINIはBMWの手中にあるが、すでに生産過程の一部はオランダのリンブルグ、ボルン(Born)にあるVDLネッドカーに移されている。これが将来的にすべてオランダに移るかもしれない。5日にジュネーブで行われた車のショーであるオートサロンにて、BMWのトップがイギリスのスカイニュースに対し「もしハード・ブレグジットとなった場合、現在オックスフォードのMINI生産部門は生産を中止しEUに移す。」と語っている。
一方、移転先候補であるVDLネッドカーにはうれしいニュースである。VDLネッドカーはこれまで三菱やボルボの車の生産を行っていたが、現在はミニの一部のみ。もし生産全部が移行されるなら会社にとってはチャンスである。すでに近隣の土地を購入済みというニュースもある。
イギリスで生産している自動車企業にとって、ブレグジットは悪夢である。欧州への輸出に関税がかかるし費用もかさむ。ホンダはすでに工場閉鎖を決定、日産も英国では新規工場は建設しないと発表している。ジャガー・ランドローバーはチェコに予備の生産拠点を開設、アストンマーチンもすでに緊急用の在庫を増やしている。ブレグジットでEUの弱体化が懸念される一方、英国の産業の斜陽化が現実味を帯びてきた。