「処方無しで劇薬もネットで入手可能」消費者連盟警鐘を鳴らす

オランダの消費者連盟(Consumentenbond)の調査によれば、医師の処方なしで大抵の薬がインターネットで購入できると判明した。同連盟は保健省大臣に対し、劇薬入手など、ネットでの薬品調達の危険性を通達した。

劇薬だけでなく、通常の処方薬も薬局で入手せずにネットで購入すると、質は保証されていない。保存方法が適切でなかったり流通の際に質が低下するという問題があるだけでなく、偽物である場合もあるという。さらに医師が処方する場合には、他の薬との併用の危険なども告知するが、自分でネットで購入する場合にはこれは考慮されていない。実際オランダでは医師の処方箋なしで処方薬の購入は禁止されている。ネットで医薬品を販売するサイトは違法であることも少なくない。ひどい場合には現金やビットコインでの支払いも要求している。

消費者連盟のキング氏は次のように語っている。「ネットでの薬品購入の際、オランダの法律を回避するために国外の医師と薬局を利用するという形式がとられる。例えば、医療に関する質問票を記入したあと、ルーマニアの医師が処方しイギリスの薬局経由で抗生物質を購入するといったルートで入手できるのだ。オランダの保健省(VWS)はこれを阻止したい意向だ。

消費者連盟は国内外12のネットショップから医師の処方なしで20種類の処方薬を注文した。抗生物質や睡眠薬だけでなくガンの治療薬も含んでいる。このうち16の薬品はオランダ、イギリス、スイス、インドそしてシンガポールから発送された。オランダ衛生研究所(RIVM)が入手した薬品を調査したところ、今回入手したほぼすべての薬品は箱に書かれている成分と同じものが入っているという。ただ、抗生物質では通常500mgのものが625mgと異なるものがあった。

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