欧州全土でのマフィア一掃作戦でオランダでも数十件の逮捕
オランダ、ベルギー、イタリアそしてドイツの警察と司法機関はイタリアのマフィア組織「ンドランゲタ」一掃のための大掛かりな捜査を行ってきた。オランダでも数十件の家宅捜査が行われたが詳細はまだ明らかにされていない。
ンドランゲタはイタリアのカラブリア出身のマフィア組織だが、現在では欧州全土で暗躍している。恐喝や麻薬取引、武器密輸だけでなく、放射性廃棄物や有害廃棄物の不法投棄にも関与しており、シチリアのコーサ・ノストラより閉鎖的で暴力的だといわれている。今回上記4カ国での一斉取締りで構成員の逮捕や物品などの押収が行われた。警察の報道によれば「ンドランゲタはシチリアのコーサ・ノストラの衰退に伴い、イタリアで最も勢力の強い犯罪組織となった。オランダでは花卉業界の流通システムを通した麻薬取引を行っている。」という。さらにンドラゲタはコカイン取引と飲食業界への投資によるマネーロンダリングでも勢力を伸ばしている。1992年から2014年までにイタリアで指名手配されていたマフィア構成員のうち55人がオランダで逮捕されている。そのうちひとりは、フレーフォランドのキャンプ場で妻子と暮らしていたという。明らかにマフィアにとってオランダは安全な隠れ場所だったようだ。
昨年の初め、首長であるサント・ボッタリが逮捕されて以来、ンドランゲタの組織の土台が揺れてきている。今回のコード名「ポリノ」と呼ばれる欧州一斉捜査は2016年から続けられていた捜査のとどめを刺すものと思われる。詳細については本日5日欧州時間12時に欧州司法局(EuroJust)から発表がある。