オランダの年金システム世界首位に

世界大手の人事・組織コンサルティング会社マーサーは、2018年度グローバル年金指数ランキング「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数」レポートとランキングを発表した。ランキング首位はオランダ(総合指数80.3)で、2012年より6年連続で首位を堅持したデンマークをわずか0.1ポイント差で抜いた。オランダの年金システム自体はここ数年変わっていないが、経済成長や低失業率といった年金以外の要素でデンマークを抜いたものと見られる。

評価指数は40以上の項目から構成され、それぞれ「十分性 」、「持続性 」、「健全性」に大別され、34ヵ国の年金制度を検証している。これにより、異なる背景や文化において運営される多種多様な年金制度の国際比較が可能となるという。オランダは「十分性」「持続性」「健全性」のすべての分野で抜き出ている。さらに所得と年金の比(代替比)は101%と世界でも稀な高さである。

マーサーのオランダ担当者によれば、ポイントが高いからといってオランダの年金システムの改良が必要でないというわけではないとコメントしている。オランダの年金制度は複雑で選択の余地が少ない。さらに個人事業主やフレックスワーカーの増加や高齢化、そして低金利といった問題に直面している。また、他国との比較で優れているという数字が出ているもの、オランダの住民は潤沢な年金を受け取っていた過去と比較しその「悪化」に批判的である。

ちなみに2018年の日本の年金制度の総合指数は48.2(過去最高値)で34か国中29位、総合評価はDであった。

マーサーの年金指数(日本語)