オランダ、ボックビールの季節

10月に入りスーパーマーケットや酒店でボックビール(Bokbier)と呼ばれるビールが店頭に並び出す。10月から2月にかけて生産される秋のボックビールは、モルトから出る濃い茶色をしており、アルコール度も6%と通常のビールより高い。ラベルにはボック(やぎ)の絵がついているものも多い。

一昔前までスペシャルビールというとベルギーだったが、最近ではなんとオランダにも600軒ものビール醸造所ができ(8年前までは150軒だった)、ボックビールも多く出回っている。ボックビール自体の種類も豊富で、中にはアルコール含有度8.5−9%という強いものまで市販されている。このほかにも様々な香辛料やフルーツを使って味も工夫している。味もフルーティで甘い。

さてボックビールには春のボックと秋のボックの2種類がある。春のボックはホップが多いため色も薄く味もドライである。
飲み方だが、小さく細いグラスに注ぐよりも表面積の大きい口の大きいグラスがいいと言われている。そのほうが香りが楽しめるらしい。通常のビールは温度5度ぐらいが美味しいというが、ボックの場合には8−9度が飲み頃。ワインのように食事と合わせる人も多い。きのこやナッツを使った料理、煮込みやブルーチーズに合うという。変わったところではアップルケーキやタルトといっしょに味わうのも美味しいらしい。