オランダのミレニアム世代、外食文化を牽引
オランダの都市部では20代から30代の若者を中心に外食文化が開花している。ブランチから始まり、ランチそして夜のディナーをカフェやレストランで食べるというのが当たり前。これを反映し、次々と新しい店がオープンし、曜日や時間にかかわらずどの店も満席、予約が必要という状態には慣れっこになりつつある。都市に住むミレニアム世代と呼ばれるこの世代は、食は外食かデリバリーで料理はしないと徹底している人も少なくない。
オランダは少し前まではあまり外食をしない国だった。清貧を尊ぶカルバン主義の影響で、特別な機会以外は外食をしないという人が多かった。しかしミレニアム世代を中心にこの伝統は忘れ去られ、高い食費に対する罪悪感も闇に葬られた。ベビーブーマー世代は、車や家にお金を費やしたが、ミレニアム世代はモノに対する所有欲はないかわりに贅沢なライフスタイルにこだわる。さらにインスタグラムなどのソーシャルメディアへの投稿による自己主張もこの外食文化の発展に拍車をかけている。
ING銀行の調査でもオランダ全体で外食する人が増えていることが証明されている。3人に一人は月に一回以上外食。そのうち5%は最低週に一度外食。とくに20代と30代ではこの頻度が高い。レストランの敷居が低くなったのも外食文化を広げる要因になっている。20ユーロで簡単なメインディッシュとワイン1杯が飲めるという格安なレストランが増加している。ミシュラン星のレストランを持っていたロン・ブラウもこれをやめて格安に食べられるレストランを何軒か開き成功している。
先のことなど考えず散財するライフスタイルが浸透し、倹約の国オランダはもう過去のものになりつつあるようだ。