オランダ付加価値税(VAT)引き上げで、生活費平均300ユーロ高に

来年から導入が予定されているVAT(付加価値税)の引き上げにより、生活費が平均で300ユーロ上がるとING銀行が試算している。オランダのVATは現行21%と食品などにかかる6%の2通り。2019年1月1日からこの6%が9%に引き上げられる。この軽減税率VATが適用されているのは、食料品、生活用品、本、映画、コンサートのチケットなど。ただし、来年から同時に所得税が減税されるため可処分所得は増える世帯が多く、ほとんどの世帯での購買力は上がると予測されている。オランダ中央計画局(CPB)の試算ではVATの低減税率の引き上げで、国庫は31億ユーロの歳入増が見込まれる。このうち75%が消費者から、25%が企業からの税金である。

ING銀行によれば、標準税率VATと軽減税率VATの両方が存在することが経済のゆがみを生んでいるという。消費者は軽減税率製品やサービスを(標準税率が適用されていれば使わないであろう)積極的に購入する傾向がある。軽減税率が上がることで標準税率との差が減るため景気には好影響を与えるとING銀行。同銀行はさらに踏み込んで複数税率の撤廃を唱えている。低減税率を廃止し標準税率のみを適用することが、経済の活性につながるという見解だ。

ING銀行の分析