オランダの農家の15%に犯罪組織がドラッグ生産拠点として接触

オランダの農家の15%が犯罪組織から飼育場や倉庫を使わせて欲しいという話を持ちかけられている。犯罪組織はこれを(デザイナー)ドラッグ製造場所として使用するのが目的だ。これは水曜日に全国紙「Trouw」が発表したものだが、表面化を恐れる農家も多いため、おそらくこの数はもっと多いと見られる。特にオランダ南部では農家5軒のうち1−3軒が犯罪組織に何らかの形で接触していると警察と司法当局は見積もっている。

警察のデザイナー・ドラッグ(Synthetic Drugs)取締りを行う担当者によれば、農村地帯で犯罪組織がますます手を広げているという。跡継ぎがいない農家が増え、飼育場や倉庫の空きが目立っている。こうした状況で農家が大金を提示する犯罪組織の誘いを断るのは難しい。
司法当局によれば、倒産農家や空き家の目立つ農村の犯罪化を阻止するには、政府による介入とくに農家への援助が不可欠である。これに対しスハウテン農業省大臣は、農家からの買い取り価格を叩くスーパーマーケットが農家の衰退を担っていると批判している。オランダでは生産性の高いハイテク農家が脚光を浴びる影で、昔ながらの農法を営む農家が衰退し、犯罪組織がこれにつけこむという暗い現実がある。