オランダの農産物の輸出さらに伸び、欧州トップ、世界2位に。

オランダの農業はますます好調で、農産物輸出では史上最高に達した。2016年の総輸出高は850億ユーロを記録し、欧州ではトップ、世界では米国に次ぎ2位の地位を保っている。経済省副大臣であるファン・ダム氏が19日ベルリンにおける世界最大の農業フェア「グリーン・ウィーク(Grüne Woche)」で発表した。

ロシアによるオランダ農産物のボイコット(不買運動)という障害があったが、別の市場を開拓するなどの努力の結果、2015年比で36億ユーロ、4.4%上昇している。ファン・ダム副大臣は「この4.4%という伸び率は驚異」だと語っている。

輸出先ではドイツが最大で、総輸出額の約25%がドイツ向け。トマト、パプリカ、キュウリ、食肉、乳製品は欧州向けがほとんど。これに対し花卉や植物は世界中に輸出している。食肉や乳製品も欧州外の国への輸出も盛んだ。

さて小国のオランダがなぜこのような巨大農業輸出国になったのだろうか。技術革新による農業生産の効率がいいだけでなく、貿易の中継地点としての役割も大きい。あまり知られていないが、アムステルダムは世界最大のカカオ貿易中継地。花卉もオランダで生産するだけでなく、各国の製品をオランダ経由で世界に輸出している。またロシアによるボイコットで痛手を受けた生産者はベトナムなどのまだ未開発の市場に乗り出すなど、障害を克服した。さらに、省エネ温室栽培などの最新技術を駆使し、食料需要の多いアフリカなどでの生産も行っている。技術革新とノウハウの蓄積が最大の機動力である。