教育省大臣、留学生数の規制に反対。オランダの大学のさらなる国際化をめざす

5月にオランダの大学連盟はオランダで教育を受ける留学生数をこれ以上増やさないという意向を表明したが、教育省のエンゲルスホーフェン大臣はこれに反対、大学と職業専門学校の国際化をさらに促進すべきだと発表した。オランダではここ数年、大学とくに修士課程で授業を英語のみにするところが増えており、これにより留学生の数が急増している。オランダ人は英語は流暢ではあるが、母国語ではないため学生が実際の学力を発揮できなかったり、教える側も満足の行く授業を行えないという不満が出ている。

これに対し大臣は、大学や高等教育の国際化はオランダの科学や経済の発展に役立ち、学生にとってもプラスとなると、教育の英語化推進を支持している。とくに学生は外国人と協調することで将来的に世界での労働市場で活躍できると国際化の重要性を語っている。ただし授業を英語化するにあたり、教育の質が落ちないこととオランダ人学生にとって不利にならないことを条件としている。さらに、英語で教育を受けることにより卒業後の就職にプラスであることも必要条件だ。また最近では中国人留学生だけのクラスもできるくらい学生が偏っているが、これも避けるなど、留学生とオランダ人学生を混ぜることも条件となる。

ただこの大臣の「国際化願望」には財源が伴わないという批判もある。都市間学生連盟(ISO)によれば、大学への予算は留学生数の増大と比例していないと、財政の難しさを批判している。「教育省は国際化を叫んでいるが、これに対する助成金は出していない。」という。
大学や高等専門学校の多くは教育の英語化が学生の将来に役立つとして大臣の考えに賛成している。学生はオランダ国内だけでなく世界の労働市場で職を求めるべきだと主張している。