オランダの大学、外国人学生数の増加抑制か

オランダの大学は学生数、特に外国人学生の数の増加を抑制する可能性が高そうだ。10日に大学連盟(VSNU)が各大学と話し合った結果をNRC紙が発表した。大学の歳出は学生数とともに増加する一方だが、政府の予算は学生数にかかわらずほぼ一定の水準を続けている。したがって学生一人あたりの予算は減少の一途をたどっている。VSNUは、学生数を減らすことが唯一教育水準を保持する解決法だとし、今回の学生数打ち止めについての合意が行われたもの。

VSNUの決定は来週の月曜日に政府に提出され、削減の詳細も発表される。VSNUによればオランダにある全13の大学の学生数は2013年の25万人から10%増加し、現在では27万5千人。増加数の3分の2は外国からの留学生だ。学部と大学院をあわせた留学生は2013年の3万1千人から4万8千人へと増えている。

しかしながら、外国人留学生はオランダ人よりも授業料が高いため、大学は留学生が多いほど財政的には助かっているはずだ。オランダ人とEU内からの学生の授業料は学部生で年間約2000ユーロだが、EU外からの留学生はこの4倍近く支払う。

これまでオランダの大学は英語での授業を増やしたり、英語のみの学部を作るなどして、積極的に外国人留学生の誘致を行い「国際化」を目指してきた。大学の歳入にはプラスではあるが、国際化が行き過ぎてオランダ語授業の存命危機の声も聞こえ、今後留学生受け入れに関して討論が続けれる見込み。