オランダの大学の授業、60%が英語で

オランダの大学での授業の半数以上(60%)が英語で行われていることが、フォルクスクラント紙の調査で判明した。オランダにある13の大学にある1,632の学科で行われている授業のうち、完全にオランダ語だけという学科がますます減る傾向にあり、英語での授業が増えている。とくに修士課程ではその傾向が顕著で、1200あるコースのうち70%は完全に英語での授業。大学院の修士課程では英語の授業のみという大学も3校ある。

経済学や法学ではオランダ語での授業がいまだに幅を利かせている。しかしナイメーヘンにあるラドバウト大学ではこれまでオランダ語のみだった心理学などを含むほとんどの科目の英語化が進んでいる。

大学が英語で授業を行う背景には、大学の国際化と世界での競合がある。学生も将来のキャリアを考える上で、英語での学習が国際舞台での活躍の鍵となる。さらに大学にとっての利点は留学生を引き寄せることができることである。とくに英語化が進んでいるラドバウト大学やトゥエンテ大学では留学生の数が多い。

しかしながら、この急速な英語化は学生と教授の間で軋轢を生んでいることも確かだ。教授陣がすべて完璧な英語を話すわけではないため、授業の質が落ちるという苦情も聞かれる。オランダ語を学術言語として保持すべきだという声もある。これに対し教育省のブセマーカー大臣は、「教育のレベルが落ちないかぎり英語での授業は学生にとってプラスである。」としながらも、「留学生を取り入れたいという営利目的での英語化は望まない。」と述べている。