「技術者不足、オランダの福祉を脅かす!?」フィリップス社長

オランダフィリップス社のトップであるデ・ヨング氏はAD紙のインタビューにて、技術者不足が企業や産業にとって痛手であると指摘した。「デジタル革命は社会を根本から覆している。」とデ・ヨング氏。作業の自動化、人工知能、データ・サイエンスが、これまで文系の分野であった介護や教育などに浸透してきていることを指摘している。デ・ヨング氏はオランダ経営者団体VNO-NCWの理事も務めている。

技術者不足は今後さらに深刻となる。2030年までに最低12万人が必要とされている。オランダ企業にとって技術者、IT専門家そして科学系教育者の養成が急務であることが、軽視されている。政府は理系大学や技術者養成教育に補助金を増やすべきである。とくに中級技術者養成学校(MBO)を選ぶ女子や移民が少ないことをデ・ヨング氏は指摘し、政策の転換を促している。

オランダ人にとって高福祉は当たり前のこととして考えられているが、ここまでの道のりには多くの時間や努力が払われてきた。しかし昨今の福祉予算削減と医療費増大で、福祉全体が揺れている。医療費は年間950億ユーロ増加し、この金額は経済成長より高い。この差額は誰が負担するのか? デ・ヨング氏はフランスやドイツが毎年数10億ユーロを人工知能と自動化に投資していることを示し、オランダの優位を脅かしていると指摘している。これは本日発表された技術バロメーター調査(ROVC)でも証明されている。技術系企業約1000社のうち54%が、技術者不足がオランダの競争力を弱めると考えている。報告書によれば、教育と企業のつながりが希薄であることが一因だとしている。

技術バロメーター