オランダでゴミとして捨てられる衣料年間6億8800万着、ひとり40キロも

フランスでは最近マクロン大統領が小売業者に対し、売れ残りの服の慈善事業への寄付を義務化した。これまで売れ残りの服は裁断されごみ処理されていたが、それが環境破壊につながるものと判断されたという背景がある。オランダでも年間数千キロの服が処理されている。ただ裁断されゴミ処理になった服の量はそれほど多くないが、消費者がそのままゴミとして捨てる量が膨大である。アムステルダム高等専門学校の「ファッションとテクノロジー」の調査によれば、オランダ国内で売れ残りがごみ処理される衣料は年間5100万着。これに対し消費者が捨てる衣料は6億8,800万着。

この問題に対応し、オランダでは捨てられた衣料から新製品を作る企業がいくつか立ち上がっている。リーン・オッテン社はリサイクルし作業服や建材に再生している。「衣料ゴミは木材と同じように再生できるので、テーブルや椅子さらに家も作れる。」とオッテン氏。別の起業家エリック・トーンハーケ氏は注文服にボトルと同じような返還金システムを設けて、着古して返却したら一定金額が戻る仕組みを作った。

ファーストファッションと呼ばれる安い服が流通しているせいで、調査をしたイレーヌ・マルディーニ氏によれば、ひとり年間46着も新しい服を購入している。タンスの中には平均173着の服がある。このうち50%は過去1年着ていない。そしてひとり平均年間に40キロの服を捨てている。
マルディーニ氏は、上記のような新事業は歓迎だが、安い服を買っては捨てるという循環を断つために何らかの形での政府の介入が必須であると結んでいる。

調査結果