オランダのライム病患者20年間で4倍に

オランダでのライム病感染者が増えている。国立健康環境研究所(RIVM)の調査によれば昨年だけで新たに27,000人の感染者が見つかっている。患者数は過去20年間で4倍となっている。ライム病は野鼠や小鳥などを保菌動物とし、野生の マダニ(マダニ属マダニ)によって媒介される人獣共通の細菌(スピロヘータ)による感染症である。オランダでは毎年130万人がマダニに刺されるというが、全員がライム病にかかるわけではない。ライム病を恐れて医者にかかった人が昨年では91,000人おり、そのうち27,000人がライム病に感染していた。

ライム病にかかると皮膚症状、神経症状(髄膜炎や脊髄神経根炎、末梢性顔面神経麻痺)、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が現れる。不整脈などの循環器症状、リンパ球腫などを呈することもある。マダニは森や木や草の多いところに繁殖している。オランダのマダニ注意サイトである「Tekenradar.nl」によれば、オランダ北部に多く、南西部には少ないという。

これから暖かくなるにつれて自然の中で過ごす時間が増えるが、マダニも活動を開始する時期。森やゴルフ場ではなるべく肌の露出が少ない服を着たほうがいいようだ。

Tekenradar (ダニの分布図)