オランダ:海洋を浮遊するプラスチックボトルを減らす方策に業界合意
海洋プラスチックゴミと呼ばれる海洋に浮遊するプラスチックが問題となっている。海に捨てられたプラスチックごみは,小さなマイクロプラスチックとなって,海洋の小さな生物に食べられ,海の食物連鎖に取り込まれる。やがて私たちの食卓にあがってくる。おまけにマイクロプラスチックには,発がん性や生殖異常を引き起こす人体に有害な化学物質が含まれている。プラスチックごみの多くがプラスチックボトルによるもので、毎年5000万から1億個のプラスチックボトルが海洋に浮遊している。
オランダ政府は業界とこのプラスチックごみを減らす合意に達した。これまで大きなボトルは販売価格にボトル代が含まれており、返却するとこの代金が戻るというシステムを実施してきた。ただ小さいボトルにはこのボトル代システム(Statiegeld)は適用されておらず、そのままゴミとして廃棄処分されていた。今回の合意は包装業界が海洋プラスチックごみを70−90%減らさない限り、2021年から小さなボトルにもボトル代を含めるというもの。これまでスーパーマーケットやソフト飲料そして包装業界からの反対で計画が進まなかった。インフラと水担当副大臣のファン・フェルトホーフェン氏は革新的な合意だと述べている。
新システムでは小さなボトルに10−15セントのボトル代が加算されることになる。ただしボトルの質はリサイクル用にもっと高いものとなる。この合意に対し環境保護団体グリーンピースは、施行が2021年では遅すぎると批判的だ。またリサイクルネットワーク、プラスチック・スープ基金そして北海基金も、海洋プラスチック増加を3年間も何もせずに放置することを非難している。