オランダ、飲食店協会がIENSに対抗するレストラン予約サイトを開始

外食産業の大幅な成長にともない、オランダの飲食店協会(Horeca Nederland)が、新しいレストラン予約サイト「ブックディナーズ(Bookdinners)」を始める。すでに2000軒がこのサイトに参加している。これまでオランダで幅を利かせていたのは「イーンス(Iens)」というレストランを採点する参加型サイトで、ここで予約管理も行っている。ただ、このサイトは飲食店業界では費用がかかりすぎると批判が相次いでいた。予約ひとりあたり1.5から2ユーロがレストランに課されるほか、毎月29から69ユーロの維持費がかかる。

新しく登場する「ブックレストラン」は月額15ユーロのみ。その他のコストはかからないという。「Iens」に加盟しているレストランは、予約者の連絡先(メールアドレス)を取得できないので、これだけのコストがかかってもマーケティングに使用できないというさらなるデメリットもある。これに対し「ブックレストラン」では、顧客と直接コンタクトができる。

「イーンス」は2015年にアメリカの予約サイト「トリップアドバイザー」に買収されている。さらに2016年には、同社は競合予約サイトである「クーバーツ(Couverts)」を買収、一社独占状態となっていた。さらに飲食店協会(Horeca Nederland)は、食事宅配産業にも参入を計画している。宅配産業は昨年だけで12−13%という伸びを見せており、今後も大きく発展すると見られる。ただ、競合の登場で消費者がどのような恩恵を受けるのかは不明だ。