オランダのマース川沿岸は考古学遺物発掘の宝庫
オランダの考古学者グループが、「最も規模が大きく重要な」考古学的な遺跡地帯を発見したと発表した。アルフェン(Alphen)とドレウメル(Dreumel)の間の土地で、マース川氾濫時の難破船を多数発見するなど、これまでにない規模の発掘だという。
アマチュア考古学者16人を含む18人のグループが、7年に渡って発掘調査を行った結果、この砂と粘土に覆われた地域で10万点以上の発見物を採掘した。その中にはこれまで知られていなかったローマ時代の侵入と占領の様子がわかる遺物などが含まれる。さらに広範囲にわたりマンモスが生息していたことを証明する骨なども発掘された。そして中でも一番貴重だと見られるのが、沈んだ難破船の遺物だ。
これまでこの地域での発掘調査は行われたことがなかった。マース川が過去の遺物をすべて海に流してしまっていると考えられていたためだ。しかし実際にはマース川は数百年でその位置が変わったこともあり、今回の発掘で多くの重要な発見があったという。発見は前史時代から20世紀に至るまでありとあらゆるものが含まれる。チームのリーダーとなった考古学者のケルクホーフェン氏は、まずこの地域で住宅開発を進めようとしていた不動産開発会社を説得し、開発を暫くの間待ってもらうことに成功、さらにアマチュア考古学者や探知機オペレータたちも参加できる体制を整えた。このおかげで、素晴らしい歴史的な発見ができただけでなく、学者集団だけでなくいろいろな分野からの協力で行うといった新しい方式の考古学的発掘作業の可能性を提示した。