アムステルダム、元刑務所で難民がホテルを運営

アムステルダム南東部にあるベイルマーバイエスと呼ばれる高層刑務所ビル群は、将来的には住宅に生まれ変わるが、それまでの間、難民たちが共同でホテル運営に乗り出している。このホテルを利用すれば罪を犯さなくても刑務所で寝泊まりをするのが可能だ。

このプロジェクトを始めたのはボランティア団体「ムーブメント・オン・ザ・グラウンド」基金。この団体がオランダに逃れてきた難民たちを指導しホテル運営を行えるよう助ける。
「難民としてオランダにやってきた人たちの問題は仕事が見つからないこと。仕事がないためになかなか社会になじめない。これを解決するために考えたのがこのホテル運営。」だと基金のディレクターであるニーナ・シュミッツさんは説明している。難民たちはホテル業のプロからトレーニングを受けている。「ムーブメント・ホテル」と名付けられたこの刑務所ホテルは定員2人の部屋16室からなるが、すでに予約でいっぱいだという。とくに刑務所での生活を体験したいというアムステルダム住民が予約しているらしい。

刑務所群ベイルマーバイエスは昨年7月に閉鎖されたが、現在では70の企業やプロジェクトが入居している。さらに難民センターもこの建物群の一部に設置された。このポップアップホテルは今年末までは開業しているが、その後はまだ不明だ。新しい住宅計画が実行に移されると、このホテルや現在入居している企業もここを去ることになる。

The Movement Hotel