スペインのテロで、アムステルダムのショッピング通りも警戒強まる

ニース、ベルリン、ロンドンそして先週のバルセロナでの車両によるテロ事件を受け、アムステルダムのショッピング通りでも警戒する店主が多い。最も買い物客が多いアムステルダムのカルファストラート(Kalverstraat)は昼間は車進入禁止だが、テロ車両は簡単に入り込める。ここで毎日ストリート・オルガンを廻しているエリックはアムステルダムの安全性に懸念を示している。「カルフェストラートはコンクリートブロックで通行止めにすべき」だと唱えるのはエリックだけでなく、商店主たちも同様だ。

しかしコンクリートブロックを設置する案にはアムステルダム市は耳をかさない。「市内の交通マヒを起こさずにブロックを置くのは不可能。さらにブロック設置だけでテロ攻撃が防げるわけではない。」というのが市の担当者の言い分だ。市当局は警察や司法当局と共同で過去のテロ事件を研究し、防御策を検討しているという。カルファストラートだけでなく混雑の激しいライツェ通り、アルバートカイプ・マーケットなども、防御策のターゲットに含まれる。

ショッピング通り以外で警戒を強めているのは「アンネ・フランクの家」。これまではコンクリート・ブロックで車の歩道侵入を防御していたが、最近では支柱に変えられた。ここでの警戒度は市の他の地区に比べて高い。

しかし、2016年12月に市の職員が提案したミュージアム広場で行われるクリスマスマーケットをブロックで囲むという案は、市当局で却下されている。具体的なテロの脅威があるわけでないというのが、市当局の説明だった。隣国のベルギーやドイツでは当然のようにブロック対策が取られているのに対し、オランダでは放置状態であることに、店主たちは理解に苦しんでいる。