オランダ、総選挙から5ヶ月いまだに政府なし

3月15日の総選挙から5ヶ月が過ぎたが、未だにオランダは連立政府が樹立していない。極右の自由党(PVV)を連立から排除すると、小党の組み合わせではなかなか過半数に満たないばかりか、各党の方針の違いから合意にいたらなかった。夏休み後の12日から再び交渉が始まった。中道右派と中道の政党である自由民主党(VVD)、キリスト教民主党(CDA)、民主66(D66)そしてキリスト教連盟(CU)が集まり再び話し合いとなった。

過半数に満たない小党でなるオランダでは連立交渉に時間を要するのは稀ではない。前回のルッテ内閣成立(2012年)には54日を要した。最長では1977年の208日という記録もある。今回は昨日日曜日で151日目だ。150議席のうち、76議席を確保するために様々な党の組み合わせが検討されたが、政治的な見解の違いでこれまで合意に至らなかった。交渉まとめ役も今回で3人目の、元ABNAmro銀行のトップであったザルム氏である。

今回の交渉で最も支障をきたすと見られるのが、リベラルのD66党と保守のキリスト教連盟(CU)との意見の相違だ。移民、難民、温暖化、安楽死などで両党は歩み寄れない。9月の第3火曜日に行われる2018年度の予算案発表までには組閣は無理だというのが一般的な見解だ。