春の悪天候で、オランダ産ワインに打撃

寒いオランダでワイン?と思うかも知れないが、地球温暖化のせいかオランダでのワイン生産が増えている。しかし今年は春の悪天候のせいで生産が危ぶまれている。3月は暖かい日が続いたが、4月5月は寒く霜が下りる日も数日あった。このため、今年のワイン生産は昨年の25−30%減となりそうだ。

これはオランダのワイン生産者にとって打撃である。2016年には134のワイン農場が登録されており、合計約240ヘクタールの土地で1100万本分のワインを生産した。オランダで消費されるワインは年間5億本だから、これはほんの一握りに過ぎないが、貴重な存在だ。
一部のブドウ農園では他の果物生産に使うアンチ凍土技術を使い、被害を最小に留めている。しかし、この技術導入には費用がかかるため取り入れないワイン生産者がほとんどである。オランダ東北部では70−80%生産減という農場も出ている。また南のリンブルグ州では昨年のヒョウの被害と今年の霜で、生産は悲観的だ。

生産高は限られているが、オランダ産ワインはレストランなどで人気である。とくに外国人のゲストを招待するときに、もてなしでオランダ産ワインを注文する人が多い。ワイン専門店やスーパーマーケットの「アルバートハイン」や「ヘマ」でも購入できる。さて肝心なワインの質だが、生産高は減っても、暑い夏のおかげで良質なものが期待できると、ワイン生産者。