オランダ、ソーシャル・ビジネス拡大

オランダではいわゆるソーシャル・ビジネスが開花している。ABNアムロ銀行の調査では、4000社から5000社が「社会的利益を追求する」ソーシャル・ビジネスを行っている。具体的には環境や貧困、労働問題などに取り組んだり、社会貢献を行う企業をさす。例えば、開発途上国のカカオ生産を援助するフェアトレードのチョコレート・メーカーである「トニー・チョコロンリー」や、労働環境や環境問題を考慮して生産された携帯電話の「フェア・フォン」そして、オーガニック食品の宅配会社「ビーボックス」などが有名だ。

これらのソーシャル・ビジネスは、利益は追求するものの、根底には社会的な貢献や環境や健康への配慮がある。ただし、ソーシャル・ビジネス企業を定義づけるのは難しい。通常の企業も最近では、ソーシャル・ビジネスを取り入れているところが多いからだ。コンサルタント企業マッキンゼーによれば、すでに6000社が関わっているという。ここで働く人は5万人から7万人と推定され、オランダ経済への貢献度も高まっている。

ABNアムロ銀行によれば、ソーシャル・ビジネス市場はまだ始まったばかりで、今後の成長が望まれる。ただし市場拡大には大規模な投資が必要だ。多くのソーシャル・ビジネス起業家にとって、資金集めが最大の課題となっている。