石油会社シェル、すでに1986年に地球温暖化を予測していたが、何もせず

オランダ・英国を本拠とする多国籍石油企業シェルは、1986年にCO2排気による気候変動を警告する報告書を作成していたことが判明した。コレスポンデント紙が内部書類などをもとに調査し、27日これを発表した。

内部報告書の中で、石油などの化石燃料使用が地球温暖化の元凶となることに触れている。しかしながら、この報告書は無視され、同社は化石燃料の採掘と精製を続けてきた。1986年のシェル・レポートでは、このまま温暖化が進むと地球に人類は住めなくなると警鐘を鳴らしている。さらに大洪水、異常気象、移民急増などの「人類史始まって以来の変化」が起きると予測していた。

シェルは1991年には気候変動に関する映画「Climate of Concern」を制作、学校や大学で上映した。「最後の審判の日が来る前に行動を」というメッセージが込められた映画だった。その後2006年に米国の副大統領であったアル・ゴア氏が「不都合な事実 - An Inconvenient Truth」という気候変動による地球破壊に関する映画を発表しているが、それ以前にはこの問題に関心を持つ人は少なかった。

シェルは1997年に再生可能エネルギーへの意向を唱えたものの、実際に使われているのは全投資額の1%のみ。そのほとんどが天然ガスの採掘だ。

De Correspondent