ミシュランの評価に疑問、毎年評価文は変わらず

先週発表されたミシュランのレストランガイド。オランダでは星付きレストランが増えるなど、食文化の進化が顕著である。しかし、このレストランガイドのバイブルとも言えるミシュラン・ガイドの評価に疑問を呈する声も上がっている。
実際に調査員が来て調べているのかという疑問である。たとえば2017年度版を見るとアムステルダムでは67店が載っているが、このうち58店の評価文は2016年版と一字一句変わっていない。メニューの内容を大幅に変えたのに、載っていないメニューまで書かれているなど、レストランから苦情が出ている。

例えば今年星を失ったアムステルホテルのラ・リーブだが、「すばらしい雰囲気とインテリア、そして最高のワイン・コレクション。モダンでアジアンテーストを取り入れた料理。」という昨年度と全く同じ評価文。このレストラン、オランダでは過去数年にわたりトップ・レストランの評価を得ている。なぜ星を失ったのか、全く理解できないとシェフ。
また別のアムステルダムのレストラン「ヤスパース」では、ガイドに載っているスペシャリティ「ポーチドエッグとアスパラガス」「トリュフとハーゼルナッツのタペナード」などが数年変わらないという。もうこのメニューは載っていないはずなのにおかしいとシェフ。

さて、ミシュランの調査員は実際にレストランに出向き食事をしているのだろうか? 前ミシュラン・ベネルクス編集長ファン・クラーネンブルック氏の書いた回想録によれば、調査員はベネルクスだけで3000軒のホテルとレストランに出向いているが時間がないため、2年に1度が精一杯だという。他の専門家によれば、内容が変わっているのは全体の12−15%に過ぎない。これに対し別の有名レストランガイドである「ゴー・ミヨー」は評価の信用度が高いという専門家もいる。