フランスで出版された「ゴッホ未発表画集」、ゴッホ美術館「贋作」と一蹴

16日フィンセント・ファン・ゴッホが描いた未発表の画集がフランスで出版された。「アルルの霧」http://www.seuil.com/ouvrage/vincent-van-gogh-le-brouillard-d-arles-vincent-van-gogh/9782021341935と題されたこの画集に対し、アムステルダムのゴッホ美術館は「贋作の作品集」だという見解を発表した。

美術史家ボゴミラ・ウェルシュ著のこの画集にはゴッホが描いたとされる65点のスケッチが収められており、「美術史上まれな大発見」だと別の美術史家が絶賛している。ところがアムステルダムのゴッホ美術館は「この本に収められているスケッチはゴッホの手によるものではない。」と正式な声明を発表。同美術館は500点以上のゴッホの描画と4冊のスケッチブックを所蔵しており、研究の結果「この本のスケッチは贋作」だと結論付けた。

専門家によれば今回の画集は明らかに当時のゴッホの描画様式と違うという。1888年春から1890年春に描かれたと言われるスケッチブックのスタイルは、この時代のゴッホのものと異なり「洗練されていない。」という。
さらにこのスケッチブックに使用されたインクも贋作であることを証明している。1888年から1890年に描かれた作品は黒と紫のインクが使われているのに対し、今回発表された画集は茶色のインクで描かれている。当時の昨品は色が褪せて茶色に退色しているが、最初から茶色のインクは使っていない、と専門家は指摘している。さらに、紙も変色しておらず新しく見える。

フランス側は本物であることを譲らず、この本はオランダや日本でも発行される。