トランプ氏当選で、オランダの政治家の反応は?
米国の大統領選でのトランプ氏当選に、オランダの政治家はどのような反応を示しているのだろうか。
副首相(労働党)のアッシャー氏は米国民の半数以上がトランプ氏を支持したことを深刻にとらえている。アッシャー副首相は「アメリカで起こることはヨーロッパでも起きる。」と悲観的。「グローバル化により、社会からはじかれる人々が出てくる。社会的不平等が今回のような結果を産んだ。」と欧州における格差の拡大に警鐘を鳴らしている。
トランプ氏の勝利を手放しで喜んだのは極右反移民を標榜するPVV党のウィルダース氏。「アメリカは自分の国を取り戻した。我々も現在の政治家たちから国を取り戻そう。」とツイッターで発言している。また謹厳なキリスト教を支持するSGP党もトランプ氏の勝利を賞賛している。
しかしオランダのほとんどの政治家はトランプ政権に対する不確実性を口にしている。アメリカとロシアの関係、そしてNATOとの関係が今後どう発展するのかは未知の世界である。
リベラルD66党のペフトルド党首は、障害者、女性、メキシコ人などあらゆる人を侮辱し差別するような人物が大統領になったことを指摘し、オランダだけでなく欧州にとっても悪いニュースだと憤慨を隠さない。またトランプ氏は貿易障壁を設けると計画しているが、これは貿易立国のオランダにとって最悪だとしている。
緑の党のクラーヴェル党首は、「これが現実だ」と結果を冷静に受け止める一方、今後の行方に不安があると述べている。またトランプ氏と同様なポピュリズム政治家であるウィルダース氏に対し、オランダはアメリカのようにはさせないと釘を指した。
これに対し、ルッテ首相はトランプ氏への批判を避け、米国との協力を強調している。観光や気候変動から福祉の問題まで、協力体制は必要だとし、「アメリカとの貿易やアメリカからの投資はオランダの労働市場に必須」だと述べている。