オランダの民放RTLは、今年から黒人ズワルトピートを中止。論争に終止符か。

オランダの風物詩であるシンタクラース祭りにかかせない黒人の従者ズワルト・ピート。毎年この時期になると顔を真っ黒に塗ったズワルト・ピートは人種差別だとして問題になる。市町村によっては、顔を茶色くしたり、全く登場させなかったりと工夫をこらしてきた。
この論争に終止符を打とうと、民放局RTLは、今年から煙突の煤で汚れた顔のピートを登場させることに決定した。国内省大臣で副総理であるアッシャー氏は、RTLテレビの試みに対し「伝統を変える時期がきた。」と大きな賛意を寄せている。

シンタクラース(シント・ニコラス)祭りは12月5日のオランダ上陸前に11月9日あたりから子どもたちが祝うお祭り。毎日靴の中にシンタクラースが乗ってくる馬にあげるという人参を入れて、プレゼントを待つ。シンタクラースと従者のズワルト・ピートは、煙突から家の中に入ってくると子どもたちは信じている。

RTLがシンタクラース番組に登場させる煙突の煤をつけたピートは、黒いという意味のズワルト(zwart)を取り去り、単に「ピート」と呼ぶ。オランダでは、ズワルト・ピートは黒人差別であるという反対者と、伝統を守るべきであるという賛成者の両派に分かれ、長い間討論が続けられてきたが、同意に達することはなかった。このススがついたピートには、どちらの派にも問題なく受け入れられるに違いない。
(画像:RTL)